ぼさとの定規

元書店員ぼさとが社会のこと、書店のことなど、思ったことを書いていきたいと思います。

【20代の外出、70代より下回る】スマホ普及のせいで外出が減っているのは本当かどうか調べて考えてみた。

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www.jiji.com

この記事を見ての第一印象は数字のとらえ方によって人それぞれでとらえ方が違うようなざっくりしたデータだなって思いました。

今回の記事では20代の外出が70代の外出よりも3.5ポイント低かったことともう一つのデータである「ひきこもりの自覚があるか」という問いに関して20代の6割が自認しているからその断片だけ取って『20代の外出が少なくなっている』と結論付けをしているように思えます。

さらに、その要因分析もざっくりしたもので、「スマホ、インターネットの普及により外出機会が減少した」というコメントも合わせて載っていました。
このことについて、ツイッター2chを中心にネットで話題になりこの結論付けは安直なのではという声が多数上がっています。

togetter.com

ネットの声の多くは「若者に金がないから」「時間がないから」というものが大半を占めており、コメントが自然な社会不満につながっているものになっていますね。

確かに、私も上記の意見に同意ですが、結局のところ若者が金を持っていないから娯楽としてランディングコストが低いインターネットを選ぶ人が増え、外出機会が減っているのではないかと皮肉にも記事にあった要因分析とおりであると思いました。

さて、この世代別一か月の外出回数とひきこもりの自己認識があるかというデータはこのようなものです。

(引用:https://www.jiji.com/jc/article?k=2017100700155&g=soc

確かにこのデータを見ると外出機会が少ないのと「ひきこもり」の自己認識があると思っている割合がもっとも高いのは20代になります。

このデータで面白いのが30代の外出回数がどの世代よりも一番高いのにも関わらず、ひきこもりの自己認識は20代に次いで高い数値になっているという点です。

これは単純に30代で既婚率が20代に比べて男女とも35%程度既婚者の割合(参考:自分の歳で結婚している人は何%? 結婚状況などをグラフ化してみる(2017年)(最新) - ガベージニュース)が増えており、子育てしている為、外出機会が多いものと考えられます。また、30代は未婚者、既婚者ともに20代より使える月のお金が増えており、他の世代に比べて経済的安定と体力のバランスが一番整っているという要因も考えられます。

そして、なにより注目すべき点が「ひきこもりの自己認知」が世代を追うごとに下がっているということは単純に考えてもインターネット、スマホ普及率に比例するのではないかという推論にもちろんなりそうなわけです。

そこで、下記に世代別インターネット普及率とスマホ普及率のデータを見てみたいと思います。

(引用:総務省|平成28年版 情報通信白書|インターネットの普及状況

2016年代別スマホ普及率

(引用:【最新版】2016年のスマホ普及率を男女・地域・年代別に大公開! | マーケティングリサーチキャンプ|市場の旬を調査で切る!

インターネット普及率が2015年のものでスマホ利用率は2016年のもので2年程度誤差はありますが、このデータとひきこもりの自己認知のデータで「ひきこもりである」と答えた割合とインターネットとスマホを使用している人の割合がほぼ一緒であることがわかります。

このことから、やはり、結論としては「スマホ、インターネットの普及により外出機会が減っている」と言ってもおかしくはないと思います。
そしたら、30代で外出機会が多いのは説明つかないではないかという話に戻ってしまいそうですが、先ほども分析したとおり、子育て世代であることと自由に使えるお金と体力のバランスが良いという結果でこの記事では結論付けしたいと思います。

高齢者と若者でテクノロジーにより文化や価値観が違っていることがわかる面白いデータなのではと私は思いました。
若者はスマホを使い買い物や娯楽を楽しみ、子育て世代は思い出作りにレジャーへ出向き、高齢者は昔のように外に出て買い物をする。
まさに世代別にイメージできるものになっていますね。

それでは今回もこれでお開きです。

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20170324145846

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