ぼさとの定規

元書店員ぼさとが社会のこと、書店のことなど、思ったことを書いていきたいと思います。

駅前から消える思い出のデパート。なぜデパート、百貨店、総合スーパーは今になってまた大量閉鎖されているのか。昔のデパートは特別感があって楽しい場所だったのになぁ。

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デパートや総合百貨店(GMS)が低迷を続けています。今回の三越伊勢丹の社長退任が報道され、デパートの立て直しが難しいことがうかがえます。

 調べてみると一億総中流と言われた時代はやはり百貨店事業ももっとも繁盛していたようです。特にバブル期に今まで大都市の駅前に立てていたものを拡大するために地方にも進出をした会社がバブルがはじけた後に再整理を迫られている傾向が強いようです。

そして、現在になるまでにデフレを乗り切るために既存店を改装し、今までの高級路線から、カジュアル化したり、客層拡大のために若者向けテナントを固めるように改装したりと多岐にわたり、時代に合うように改装や新業態の店舗をオープンしていました。
また、体力のない会社は2000年代に入ると不振店舗の閉鎖を積極的に進めていきました。

しかし、そのような新規業態の店舗も会社全体を救うような増収に結び付く例が少なく、今また苦境に立たされています。さらに現在もデパートとして生き残っている店舗は上記再編期にも閉鎖対象にされず、何とか生き残っている店舗でした。しかし、その生き残った店舗も今、閉鎖のメスがはいっています。

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問題としてデパート店舗のほとんどが高度経済成長期に建てられた館なので築40年以上たち始め、維持が難しくなっているというのが大きいかと思います。
大都市圏の店舗も随時更新していかなければならない時期に差し掛かっているのと、時代のニーズに合っていない店舗をリニュアルし、魅力的な店舗にするために、不振で老朽化した地方都市店舗を閉鎖して、土地の売却益などで店舗の更新費用にするのではないかと思います。

 

また、デパートと合わせて総合スーパー(GMS総合スーパー - Wikipedia)も近年不振が報道されています。
イトーヨーカドーの大量閉店などがまさに象徴的です。

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元々総合スーパーがもう現代に合わない業態になっていると思います。薄く広く、なんでもあるというのが総合スーパーの特徴で、デパートより気軽に商品を買うことができるというのが大きな売りでしたが、2000年以降、大規模小売店舗法の廃止により、郊外にショッピングモールが乱立し始めると、デパートとショッピングモールの間という中途半端な立ち位置になってしまいました。

さらに、総合スーパーの立地もショッピングモールと同じ郊外なのがさらに中途半端さを引き立たせてしまいました。
総合スーパーもショッピングモールに転換している店舗はたくさんありますが、それでも総合スーパーの多くが大規模小売店舗法当時の制約された大きさの館しかないので、改装しても小型のショッピングモールとなり、テナント数が少なくなってしまい魅力に欠けるケースが出てしまいました。

これは私の推測ですが、ショッピングモールに改装し営業するより閉鎖して土地を売却したほうがいいという判断になってしまったのでしょう。

そして、2000年代全盛だったショッピングモールも今、ネット通販に食われ始め、雲行きが怪しくなってきました。

 

今まで大型化してたくさんのテナントを入れることで魅力を演出したり、「なんでもある」ということがステータスであった時代の象徴としてデパートやショッピングモールが繁盛してきましたが、これからは良品を簡単に見れる店舗がはやりそうですよね。
ネットに勝つには「このお店にきてよかった」という付加価値をつけなければならず、それを演出するには今まで以上に商品の目利きが必要かもしれません。

今回もこれでお開きです。

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