ぼさとの定規

元書店員ぼさとが社会のこと、書店のことなど、思ったことを書いていきたいと思います。

クロネコヤマトも大ピンチ。ドライバー不足×宅配量増加=キャパシティオーバー。モーダブルシフトして少しでも効率化を図るようです。

 

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年末から言われ続けてきたこの問題もそろそろ事態が動き出しそうです。

どの配送業者もAmazonをはじめとするネット通販の普及により、宅配量のキャパシティをオーバーし始めています。また、社会全体として人で不足もあり、さらに運輸業界では準中型免許が今年の3月より適用されることにより、今まで普通免許で3.5トン車まで運転することができたのができなくなり、さらに人材確保が難しくなってくる見込みです。

trafficnews.jp

ネット通販による宅配量増加が原因とされています。確かに、Amazonの配送拠点(フルフィルメントセンター)やその他拠点合わせて20か所弱ありますが、そこから全国に向けて商品を発送しており、この数年で売り上げが上がっていることを考えるとAmazonだけでも相当な配送量が増加していることかと思われます。
しかし、日本の物流の主役はトラックです。そもそもトラックは輸送量が少なく人手がいる輸送方法なので、物量が増えると人手がいる輸送方法です。

現在、どの配送業者も下記のような流れになっています。

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今まで人海戦術で通用してきたこのシステムも物量増加と人手不足の現代では限界を迎えているのかとおもいます。

システムで改善できそうなところはあるかと思いますが、今のままではこのシステムで増え続ける輸送量に対して、裁くことことができなくなるのは目に見えています。配送業者一社だけの問題ではなく、社会インフラとしての問題にもなりえることかとおもいます。

 

そこで、最近はトラックの弱点である大量輸送ができない点を鉄道貨物でまた補っていこうという「モーダブルシフト」の流れになってきています。

news.nifty.com

自社長距離便トラックを鉄道輸送に変更することにより、今までの長距離便トラックを運行していた人材を別なところ(大型トラック輸送しか向いていない場所などに行く便)に再転換することができたり、長距離便トラック便の人材が少なくなっても回せるようになります。
鉄道輸送をすることでその分コストはかかってしまいますが、すでに人材不足が深刻化している状況でコストなど気にしている局面ではありません。
また、人口減少していく社会なのでサービス料として顧客に負担してもらっていいと思います。
日本の過剰すぎるサービス文化で本来顧客が支払うべきお金を支払っていないサービスの一つではないでしょうか?
本来なら、国も国策として行うのが一番ですが、現在のところ、CO2削減のために鉄道輸送に変えましょうという、ずれている推奨しかないようです。

用途が違いますが、スイスでは以前より鉄道利用率を上げるためにトラックの関税を設け、国内の貨物輸送を鉄道に移すことに成功しています。つまり、現代社会でも長距離便輸送は鉄道でも代替え可能ということかとおもいます。

www.eda.admin.ch

高度経済成長期の効率重視、コストカット重視などで発生した負の遺産ともいえる現象がこの問題をはじめいろんなところで出始めています。
また、今までの国策の失態もここにきて一気に問題化してきているかと思います。
現代の成熟し、テクノロジーを駆使したサービスを維持するには古い仕組みを変えていかなければならないと強く思いました。

それでは今回もこれでお開きです。

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