ぼさとの定規

元書店員ぼさとが社会のこと、書店のことなど、思ったことを書いていきたいと思います。

読書時間ゼロが問題って言ってるけど、本屋に行って本買うのは面倒なので、スマホでの情報収集は読書にならないんですか?

 

今の時代、読書時間が減少しているとただ、データを切り取っただけで言われ続けていますが、現代ではやることが増え、特にスマートフォンが普及してからより読書に割く時間が減っているかと思います。少し古い記事ですが、こんなことを見つけました。

www.j-cast.com

irorio.jp

現代において、すぐに自分の知りたい情報を引き出せるのはスマホであるので読書時間がゼロにシフトする人が増えて当たり前だと思います。インターネットが普及する前の1990年代までの情報収集の仕方はテレビか本しかなく、必要なことを知りたいときには必然的に読書時間としてカウントされていたかと思います。

しかし、2000年代から携帯電話の普及とインターネットの大衆化により、本よりも即座に情報を引き出すことができるそれに時間がシフトしていきました。しかし、10年前のインターネットは現在よりも正確な情報が乗っているサイトが少なく、情報収集をするにはまだ不十分なところがありました。

それも2010年代になると改善され、ネットでの新サービスがかなり増えたことにより、情報収集も容易になり、わざわざ、書店で本を選び、本を買い、それを完読する必要がなくなりました。

「本」の読書時間ゼロになっても、「インターネット」での読書時間は増えているはずです。SNSツイッターやLine、インスタグラム、Facebookなどなどで多かれ少なかれ、情報(文字)読んでいることにはかわりないと思います。単にゲームで遊んでいるとかありますが、本の小説を読むのと大差ありませんよね。

これからの読書はどうしてもネットでは解決できない専門領域や、作者の見地が入ったもの、紙媒体でなければいけないものなどなど、そういった目的買いが多くなるでしょう。

書店はこの20年で大型化ばかりしてきて、無駄に広く在庫を抱えているところがたくさんできましたが、結局はAmazonなどのネット通販系サイトには在庫は勝てません。本を探すにしても店内で検索機を使い、指定された棚へ行き、探すという手間なく、Amazonでは検索ボックスで検索すればすぐに購入できるからです。

書店こそ、売れないと叫ぶまえに規模を縮小して、本をすぐに探しやすくする環境つくりや商品を吟味したセレクトなど、本屋に寄ったことで偶然、この本に出合えたという演出をしなければならないはずなのに、未だに1990年代のマーケット感覚で商売をしている業界だとつくづく思います。(私自身、書店員でした)

本屋で本買うこと自体が面倒だし、本を一冊読むことより、スマホで検索した情報をすぐ見るほうがタメになるしだと、読書時間ゼロになりますよね。

それでは、今回もこれでお開きです。

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