ぼさとの定規

元書店員ぼさとが社会のこと、書店のことなど、思ったことを書いていきたいと思います。

【サービス過剰】「お客様は神様」をしすぎた結果、勘違いをして日本人は横暴になってしまった。それでいて、素晴らしいサービスを受けたときにチップを支払わないケチで小さい人ばかりになったんだなって思った。

 

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「お客様は神様」と日本の接客業では当たり前のように言われています。そもそも、この言葉の始まりは1961年に歌手の三波春夫がインタビューの際にお客様についてどう思うかという質問に「お客様は神様です」と答えたのが始まりのようです。(※参照三波春夫 - Wikipedia項目3)

三波春夫はただ単にお客さんに媚びを売るというわけではなく、芸をやるうえでそういった気持ちで取り組むことで演者として良いものを提供することができるという純粋な信念としてその言葉で表現したようです。(※参照「お客様は神様です」について 三波春夫オフィシャルサイト記事)

しかし、この言葉がメディアで一人歩きし、現代ではその言葉の本質的な意味が変わり、単に「お客様は神様だから、サービス提供者はお客様に無償の奉仕するのが当たり前」の出所もわからない状態で接客業の奉仕のスピリットとして何故か常識化されています。
そして、それを世の中の常識だろと言わんばかりに振りかざし、自分の要求が通らなければ理不尽なことばかり言う悪質なクレーマーが出てきました。

本来クレームの定義としては支払った価格のサービスに対して消費者側が対価として感じることができなかったことを指すかと思います。
例えば、サービス提供者のミスにより、本来受けるはずのサービスを受けることができなかったり、消費者が損を被る場合などです。

クレームを出す前提として消費者はそのサービスに対して対価を払っていることが条件になるかと思います。
この前提条件を忘れて理不尽なことを言う人が日本にはあまりにも多すぎると思いませんか?
その例として、コンビニで店員の態度が悪いと悪態をつけるなどでしょうか。
コンビニのレジ打ちに対して対価を払っているでしょうか?欧米の文化だったら、接客サービスがいい人にはチップを払うという風習があります。なぜそれでチップが発生するかというと本当に素晴らしいと思うことにチップを渡すというシンプルな構造があるからだと思います。
接客態度が悪い人にはチップを渡さないただ、それだけのことです。
もし、コンビニのレジ打ちの態度が悪いというのであれば、態度がいい人にチップをあげるということをしている人が初めて言うことのできる言葉ではないでしょうか?高級ホテルなどでサービス料を対価として払っているところならば、クレームを出してもいいと思います。
「接客業をしている人間はお客に対して気持ちの良い態度をとるのが当たり前」と思っているなら大間違いだと思います。ないものねだりしすぎただと私は思います。
日本人はあまりにも対価以上のことを要求しすぎだと思います。

こういった自分が支払った対価に対してどれだけの価値があるのかを勘違いしている人が多すぎです。
少しでも不満があればすぐに文句を言うのではなく、まずはなぜ支払った対価に対して、このサービスを受けたのかをクレームを言う前に考えるべきです。つまり、サービスを受けた側としても自分に落ち度がなかったかを考えるべきだと思いました。

お客様は提供するサービスに対してしっかりと対価を支払ってくれる人こそが神様だなって、心が豊かではないクレーマーを見て思いました。

今回もこれでお開きです。

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