なぜポテトチップスが販売休止なのかと疑問視されている方へ。昨年の北海道の台風被害は甚大だったからです。甚大な被害だったにも関わらず、全国ネットの放送ではほとんど触れられていませんでした。
ポテトチップスで使うジャガイモが不作で販売休止が相次いでいますが、その根本となった昨年の北海道の台風被害が原因であることがあまり知られていないのではないのでしょうか?
2016年8月に短期間のうちに4つの台風が北海道に接近、上陸するという、観測史上初めての災害が発生しました。台風の上陸状況については以下のブログ記事(どさんこカメラさん)にわかりやすい記事がありましたので紹介させていただきます。
特に被害が一番大きかったのは8月30日ごろに接近した台風10号の大雨被害です。
2週間にわたり3つの台風が通過した後で地盤がかなり緩んでいたこと、そして河川が氾濫寸前になっていました。そして、とどめを差すように大雨、強風が吹き荒れました。特に被害が甚大だったのは十勝地方(十勝川を中心に広がる帯広周辺)です。
北海道内でも十勝地方は農業が盛んな場所です。その十勝地方を中心に台風10号の大雨が降り、下記転記写真のように川の氾濫により、畑が流されたり、収穫前のタイミングで浸水してしまったため、農業被害が甚大でした。
南富良野町幾寅地区は街が冠水してしまいました。
また、インフラにも甚大な被害が出ており、川の氾濫により道央(札幌方面)から十勝へ抜ける国道が寸断されたり、鉄道も鉄橋が流され、長期間の運休が発生しました。
JRの鉄橋も流されたことにより、12月までの3か月間運休を余儀なくされました。
日勝峠という険しい山道を含む国道274号線は被害が甚大で復旧には今年の秋ごろを予定しているそうです。
その時の交通の寸断の様子がまとめられているブログ(勤務医開業つれづれ日記・3さん)がありましたので合わせてご紹介させていただきます。
kaigyou-turezure.hatenablog.jp
しかし、この当時とても不思議だったのが何故か報道規制が引かれているかのように全国ネットでのテレビニュースにはほとんどなりませんでした。
お昼のニュースでさらっとやる程度で、道内との温度差があまりにもあり驚きました。道内では元々地元局の影響力が強いため、どのチャンネルでも特別報道番組を流しており、道民だけその被害の甚大さが伝わっていましたが、北海道も日本の一部であるはずなのに、その日のトップニュースにも取り上げられなく、全国的にはこんなことあったのくらいの感覚なのかと思います。
それで今回のポテトチップス生産中止でまたこのニュースの注目度が本来上がるはずですが、なぜか肝心な台風被害については何も取り上げられておらず、どれだけ農業被害があったのか、北海道自体にどれだけダメージがあったのかが焦点にあてられていません。
普通ではないこと起きたのにも関わらず、ネットでも「北海道は台風に弱いから」とか心無い声をみて思わず、「本州でも4度も台風の大雨食らったらそれだけなるでしょ」と言いたいところでしたが、理解が得られないくらい報道がされていないから当たり前かと妙に割り切ってしまいました。
これを機会に少しでも北海道の台風被害について見ていただけたら幸いです。
それでは今回もこれでお開きです。
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