360°円状の滑走路「Endless Runway(エンドレスランウェイ)」がすごい!空港が直径3kmの円の中に収まるから、土地がない日本こそ合うのではないかと考えてみた。
このニュースをみて、単純にすごいことだなって感心してしまいました。
この360°の円を描いた滑走路「Endless Runway」というプロジェクトがオランダ航空宇宙センターで進んでいるようです。(公式ページ:the Endless Runway)
写真のようにターミナルを中心に直径3kmの円を描いて作られる滑走路によって、自然条件や現状の滑走路が一本の線であるゆえに制約されている飛行機の発着枠を滑走路のデザインを変えることで増加させようという試みのようです。この円卓型の滑走路にはメリットがたくさんあるようです。
- 風向きによって自由に着地地点、離陸地点を変更することでき、風の影響を最小限に抑えることができる。
- 従来の滑走路3本分の長さで4本分の離発着を裁くことができる。
- 従来の滑走路だと離陸後に目的地に向かうために旋回を行う必要があるが、円状にすることによって旋回を最小限で済ませることができる。
- 着陸の際、滑走路が混みあっていると滑走路が確保されるまで上空で待機することになり、その分燃料を消費しますが、円状に滑走路がなっていると間隔さえあいていればすぐに着陸態勢に入ることができるので、燃料の消費を抑えることができる。
- 円形の設計なので、従来の空港より設計がコンパクトになるので、騒音の範囲を従来滑走路より抑えることができる。
ほかにもメリットがあるかもしれませんが、私が拾えた情報はこのあたりでした。(参考動画:Circular runway airports: Dutch researchers propose circular runways for future airports - TomoNews - YouTube)
昔から円状型滑走路の構想は1960年代にアメリカ軍が計画したことがあったようですが、結局実用化にはいたりませんでした。
この滑走路のメリットは直径3kmの円を描けさえすれば大容量の発着枠を可能にすることができるという点です。
日本のように国土の大半が山と海になっており、大きな空港を作る場所は自然に限られてしまいます。羽田空港の一部滑走路や関西空港や中部国際空港のように海上に敷設したり、成田空港のように土地買い上げ問題などが発生したりと大型空港を敷設するには厳しい条件が多いかと思います。
大型機の着陸するには最低でも2500mの滑走路の長さが必要だといわれています。羽田空港では2500mの滑走路が2本3000m以上の滑走路が2本合わせて4本の滑走路があるにも関わらず、発着枠はいっぱいいっぱいになっています。
結局、4本の滑走路があっても風向きなどによって4本完全に使えるということではないので、複数の航空機の離陸時間が重なる時間帯ではよく滑走路の空き待ちなどによって、待たされることがあります。
そういった混雑する空港には滑走路を増設すればいいじゃんと安直に考えてしまいがちですが、従来の直線の滑走路を増設しようにも約3kmの直線をどのように引くのかが常に問題として付きまといます。
それなら、東京湾のどこか(アクセスはイマイチですが千葉の京葉工業地域あたり?)にこのエンドレスランウェイを敷設した空港を作れば東京の発着枠は一気に4本分拡大することができいいのではないかなって思いました。
滑走路一本しかない福岡空港の代替空港として作っても経済波及効果がありそうですよね。新千歳も2本滑走路がありますが、2本の間の距離が離れておらず、同時離発着ができない構造なので現空港の奥のほうの森を切り開いてこの滑走路を新設したほうが冬季でもうまくいくかもしれませんね。(降雪時は円の滑走路のエリアを三つに分けて、除雪で1エリアを使い、残り2エリアを滑走路として使うようにして、ぐるぐる除雪車が常に回っていればスムーズになるのではないかって思います)
実用化にはあと30年くらいかかるみたいですが、とても楽しみですね。
それでは今回もこれでお開きです。
※おまけ
マイクロソフトフライトシミュレーターというゲームを使って離着陸を再現している動画見つけました。
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