ぼさとの定規

元書店員ぼさとが社会のこと、書店のことなど、思ったことを書いていきたいと思います。

【売れる本の見つけ方】書店員の時に売れる本がわかるようになったきっかけを振り返ってみた。書店員にはシックスセンスがあるんだぜぃ。

未だに「書店員的感」が残っています。現場から離れてもう一年以上経ちますが、趣味の読書をするために本屋に行くと、表紙を見て、「あ、これ売れるな」っていうレーダーがいまだにピコンと立ちます。

 

私が最初に書店員になったのはアルバイトがきっかけです。入社当時、100坪程度の書店で文芸、文庫担当していました。
小さな書店には情報を教えてくれる出版社の営業の方が来ることは稀で月に指で数える程度しか来ません。大型書店だと出版社の営業の方が当たり前のように「この本が売れ始めてます」といったブームになる直前の本の情報が自然に入ってきます。
当然営業の方があまり来ない小さい書店にはそんなような情報とは無縁のところにいます。
当時アルバイトながら発注権をもらっていて、何としてでも小さい書店でも売れる本を仕入れようと必死で大型書店に偵察しに行っては、携帯電話に大型書店で仕掛けている商品のタイトルをメモしていました。

ある時、いつものように、大型書店に行くと沼田まほかるさんの「猫鳴り (双葉文庫)」が仕掛けられているのを見ました。のちのち、大ベストセラーが次々に登場する「沼田まほかるブーム」一歩手前の時にたまたま情報をキャッチすることができました。

早速、50冊仕入れて自分の店でも仕掛けてみたところ、飛ぶように売れていきました。当時、その店舗では週に10冊同じ本が売れたらヒットだなと思っていたものが、週で20冊くらい売れ、慌てて追加注文をしました。

それをきっかけにいろんな商品をヒットさせること(自分比です(笑))ができました。

 

まだ、6年弱しか書店員としていなかったペーペーなので、売れる本の特徴はまだ理論化できていないことは多々あると思いますが、売れる本の特徴として大きく分けて二つあると思います。

  • 売れそうな装丁

目に残るフレーズがあるもの。(センスがいいタイトルや副題、語呂がいい) 装丁にデザイン的なセンスがあるもの。(その時の流行りのデザインなど)

  • 売れそうな帯

装丁との配色パターンで目立つ(特に黄色が目立ちやすい) その時々の流行りの文言が入っている(2010年近辺だと「~が第一位」など)

 

私の場合は普段からがっつり小説を読む熱心な読書家ではないので(どちらかというと小説はほとんど読まないです、、、)売りたい本を自分で買って読み、これを売りたいとPOPを作成し、無名の作品を売り込む凄腕書店員とは真逆のタイプでした。
経験からこれは売れる!っていう「ピコン」というシックスセンスのような感じで、売れる本を予測してきました。専門書の時でも同様に「ピコン」と来て、売れると思ったものを仕掛けて売れたこともありました。
内容についてもいいことに越したことがありません。しかし、そもそも売り物になっている時点でいいもののはずなので内容を精査することはお客様にゆだねようと割り切っていました。

私は本屋の役割として、話題になっている本をいかに確保してお客様に情報を提供するかだと思います。小型書店のときには大型書店にいかなくても話題品がある売り場つくりを心がけていました。限られているスペースだったので、どこにその本を目立たせておくと情報として提供できるかを意識してきました。

私は熱心な読書家ではない分、話題になっている本を提供すること(キュレーターみたいなこと)しかできませんでした。今は書店から離れて別な仕事をしています。もし次に書店に復帰するときにはよりお客様に影響を与えれる書店員になりたいと思います。

今回もこれでお開きです。

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