ぼさとの定規

元書店員ぼさとが社会のこと、書店のことなど、思ったことを書いていきたいと思います。

【JR北海道赤字路線問題アイデア】どうせ乗る時間が長い列車ばかりなら乗る価値を高める列車を走らせたらどうでしょうと思った。

スポンサーリンク
 

www.nippon.com

JR北海道の2020年度までに資金がショートする可能性があり、北海道の鉄道網維持について自治体を巻き込んでの議論に発展している状態です。各ローカル線ごとに協議がされていますが、まだ、動き始めて初期段階のためなのかニュースを見ていると不毛な議論が続いているように見えます。

結局、いまやっている議論の争点としては線路、車両をJRが所有するのではなく、沿線自治体が持つことによって、JRの負担額を減少させ路線を維持するか、または利用者がほとんどいない路線についてはバス転換をし廃止にしましょうというJRの提案に自治体がJRの経営状態を考慮せず、「こんなこと言いだすのは無責任だ」「なぜ自治体が負担しなければならないのか」「経営努力しろ」などJR側が散々叩かれている状態になっており、どの路線も議論が進まない状態になっています。

さて、ここから本題です。

北海道は観光で外貨を稼いでいる側面があることから、私は最低限の鉄道網の維持はしなければならないと感じています。
稚内、網走、根室など末端路線の維持や北海道周遊ルートを維持するために釧網線(釧路~網走間を通り、北海道を縦に結ぶ最後の路線です。)や観光路線化している富良野線旭川方面からの貨物列車が札幌を経由せずに本州方面に直結できる室蘭線岩見沢~苫小牧)は残さなければいけないと思っています。

残念ながら、去年の台風被害で不通になっている根室本線富良野新得を結ぶラインやその他ローカル線は廃止にせざるを得ないかもしれません。

ワンチャンス枠でこちらも台風被害により不通になっている日高線(苫小牧~様似)を復旧させて観光路線化に徹底するということもできそうですが、現状、沿線に集客力がある観光地が少なすぎるので、集客力がある観光設備つくりもセットにしなければ復活は厳しいかもしれません。

鉄道を観光にフォーカスするには以下の点が焦点になるのではないかと思います。

  • 路線自体に絶景など観光要素がある。
  • 沿線に観光地があり、輸送手段として鉄道が選択肢に入る。
  • 車両に魅力がある。(例:四季島、JR九州などの観光特急、ノロッコ号など)
  • 保存鉄道として古い車両を使っている。(例:イギリスのノース・ヨークシャー・ムーアズ鉄道やいすみ鉄道など)

思いつく限りでは上記の要素ではないかと考えられます。

車両自体に魅力的な設備、サービスを入れることで成功している例がJR九州の「D&S(デザイン&ストーリー)列車」がいい例です。

写真:1号車 A-TRAIN BAR
(写真は特急A列車で行こうの車内です。引用:特急 A列車で行こう | JR九州の列車たち ~JR九州 観光列車【D&S列車】・新幹線~
JR九州ではこのような観光列車を複数運行することにより、鉄道としての新たなブランドを確立することに成功しました。
沿線風景が見やすいような席があったり、ラウンジにはバーがついており、飲料類の販売や名産品の販売がされています。
また、列車によってはコース料理を提供することを行っています。詳細は下記のページでわかりやすくまとめられていました。

今こそ乗りたい九州観光列車7選[極上の鉄道旅でいざ九州へ] |【公式】ダイワロイヤルホテルズ

スポンサーリンク
 

 

実際に北海道でも絶景路線に魅力的な車両を投入することによって観光列車を成功させている例はありますが、コンセプトも車両もJR北海道にまだ体力があった平成初期の思考で止まっており、今でも人気はありますが現代のニーズに合っているとは言い難いものになりつつあります。

北海道は広大であるゆえに主要観光地が点でバラバラになってしまっているため、旅行の工程を組む場合、一つのエリアを重点的に観光するか、一日移動日を設けて別エリアを観光するかという形になります。
また、観光地も車でしかいけないところが多いので別エリアに行く長距離でも車(レンタカー)での異動になります。

その長距離移動を鉄道が選択肢に入るように現代のニーズにマッチした魅力的な観光車両を投入して観光地と観光地を結ぶのはどうかと私は思います。

例えば過去の記事でも書きましたが、札幌から網走、稚内へ行くのは現行の特急列車で5時間以上かかります。

bosatonozyougi.hatenablog.com

その移動はもちろん普通の特急列車なのでただ座って、5時間以上を過ごすことになります。また、列車には車内販売もないため一度乗ってしまうと買い物をすることができません。
この通常の特急列車の一部(4両編成のうち2両または1両)を改造して居住性の高い観光列車仕様に改造するだけでも観光列車に仕立てることができます。
全車両を改造するわけではなく、車両の一部分を改造するだけでいいので費用も自治体にある程度資金を出してもらえばすぐにでも列車を改造することはできるのではないのでしょうか。

こうした、一部車両を改造することによりビジネスなどの普段使いのお客さんと観光客を車両によってすみわけすることができますし、ラウンジ車両を一両作ることによって今はない車内販売も復活することができますので普段使いのお客さんの満足度も少しは上がるはずです。
車両をすみわけすることにより、観光のお客さんにはコース料理を提供したりすることもできるはずです。

また、魅力的な車両を使うことにより、新たな観光ルート開拓も可能ではないかと私は思います。
例えば、流氷シーズンに合わせて旭川~網走~釧路~根室というルートで特急を設定するのはどうでしょうか。
旭川から札幌からのお客さんを乗せ、網走までは流氷観光のアクセス特急の一部となり、網走から先はオホーツク海に沿って知床半島や阿寒湖阿寒湖温泉、川湯温泉釧路湿原を通り、沿線風景が絶景である根室までを結ぶ観光特急の要素で走らせるといったものです。
もちろん、それを走らせるにはJR九州D&S(デザイン&ストーリー)列車のような魅力的な車両にすることが不可欠だと思います。
一編成でもそうした列車があればいろんなところで臨時列車を仕立てることができます。
JR北海道でもリゾート特急列車はありますが、一番新しいもので1992年に登場したノースレインボーエクスプレスというバブル期の価値観で作られた古いもの(ほかにも2編成あります)しかなく、今となってはただの特急列車と変わらない印象しかありません。

ノースレインボーエクスプレス 引用:
ノースレインボーエクスプレス - Wikipedia

以上が特急列車を観光列車化して乗る価値がある車両にすればいいのではと思ったことですが、今のJR北海道の状況や自治体の反応をを見ているとなかなか難しそうな気がします。

それでは今回もこれでお開きです。

スポンサーリンク
 

※関連記事

bosatonozyougi.hatenablog.com

bosatonozyougi.hatenablog.com

bosatonozyougi.hatenablog.com