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ぼさとの定規

元書店員ぼさとが社会のこと、書店のことなど、思ったことを書いていきたいと思います。

図書館に新刊を置くことがなぜ反発されているのか。書店や作家は目先の利益を考えず、無料で新刊をいろんな人に読んでもらうことで長期的な宣伝になることを考えたほうがいいと元書店員は思う。

 

最近、図書館では利用者の要望に応えて、注目されている文芸書や文庫新刊をたくさん仕入れて、無料の貸本屋みたいなことをしており、それはどうなのかということが数年前から話題になっています。

何故かというと、発売間もない新刊が書店で発売されてすぐに全国の図書館で無料で利用者が読むことができるので、書店や出版社、そしてなにより作者に利益がいかないという利害問題があるということが問題視されています。

実際、図書館で新刊が貸し出し可能になるのは発売日から1~2二週間程度あとから借りることができるようです。
それ目当てに、利用者が新刊を予約し、貸し出しまでに100人待ちの状態になるとかもざらにあるようです。

しかし、元々本は内容を見るという点では、書店に置いてある売り物もコミックを除いては立ち読みで内容をみる可能であり、その人の読書スピードが速いか、根気よく時間をかければ、買わなくても一冊の情報を得ることができます。
ほかのメディア媒体はそうはいきません。映画DVDを視聴することはできませんし、CDも試聴機に入っているCD以外は聴くことはできません。

なので、図書館で発売間もない新刊を無料で読むことができるから、本来得れる利益が減ってしまうという指摘は私はナンセンスではないかと思ってしまいます。

本来、本は立ち読みすることがOKなことであり(昔はタブー視されていたようですが)要望があれば、図書館にも書店で買える本がいきわたって、タダで読むことができるというだけです。
そこで新刊が発売して間もなく無料で読むことができるから利益が還元されないというのは出版不況で利益がなく必死にやっているのに、方や無料で公開とはなんだというひがみにしか見えません。
ここで作者にも利益がでないじゃないかという議論にもなるかと思いますが、作者は作者で図書館が購入している分の印税は入ってきますし、無料で多数の人に読まれるということは一種の宣伝みたいになっているかと思います。
そこでファンが付けば、その作者の本が売れる可能性があります。マーケティング理論にあるFree(Amazon商品ページ:フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略)の考え方ですね。

本来、書店と図書館の明確な役割の違いは書店は「新しい情報と話題作りをする場」であるのに対し、図書館は「必要な情報を膨大なデータベースから引き出す場」として機能してきました。
しかし、インターネットに両者ともその役割をとってかわられている今、そこに来てくれる方への要望に応えるサービス精神が必要なのではないかと思います。
なので、書店や図書館はこれからは好きな本をリラックスして読むことができる憩いの場として、機能することが求められていると思います。
利益云々ではなく、出版という文化を生存させるためにもっとおおらかに物事をとらえるべきじゃないかと思います。

それでは今回もこれでお開きです。

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