ぼさとの定規

元書店員ぼさとが社会のこと、書店のことなど、思ったことを書いていきたいと思います。

【2017年本屋大賞】のノミネート作品が出そろっている時期ですね。元書店員として印象に残っている本屋大賞受賞作や思うことについてなどなど

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毎年、ノミネート発表が1月中旬で4月に発表される流れの本屋大賞本屋大賞 - Wikipedia)が注目される時期になってきました。

今年のノミネート作品は以下の通りです。

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>i [ 西加奈子 ]

 

>暗幕のゲルニカ [ 原田マハ ]

 

>桜風堂ものがたり [ 村山早紀 ]

 

>コーヒーが冷めないうちに [ 川口俊和 ]

 

>コンビニ人間 [ 村田沙耶香 ]

 

>ツバキ文具店 [ 小川糸 ]

 

>罪の声 [ 塩田 武士 ]

 

>みかづき [ 森 絵都 ]

 

>蜜蜂と遠雷 [ 恩田陸 ]

 

>夜行 [ 森見 登美彦 ]

 

以上10点が今年のノミネート作品になっています。正直、6年程度書店に努めていましたが、1位を予測することは難しいです。これが上位に来そうだなぁくらいしかわからず、的を射抜くのは至難の業です。

本屋大賞本屋大賞webに登録している全国書店員がweb投票する形式になっています。(SNS入会みたいな感じです)投票する際に作品に対してコメントを入れることが必須条件となっており「作品を読んでこの本を推したい」という気持ちを第一に考え公平さを保つ工夫をされています。

一時は芥川賞直木賞並みに売上の影響力を持っていました。本屋大賞から名前が売れた作家さん(湊かなえさんなど)も多数出ています。ここ数年は受賞作のドラマ化、映画化など本屋大賞とは別にもう一つ話題がある商品が売れる傾向にあります。
お客さんである読者も毎年発表される賞の一つとして認知はされていますが、回数を重ねるごとに一時より熱が冷めてしまっているのが実情です。なので、本屋大賞受賞単体でももちろん、第一位の作品は売れますが、以前よりは売れない印象です。

 

過去、私が文芸書担当をしていたとき、特に思い入れの強かった作品を紹介したいと思います。

>謎解きはディナーのあとで [ 東川篤哉 ]

 

2011年第一位作品です。この作品は大賞取る前はライトノベルを好む層を中心にひっそりと売れており、その後口コミで話題になりヒットしました。受賞決定後、爆発的に売れあっという間にドラマ化決定や東川篤哉さんの他の著書も飛んでいくように売れていきました。

 

>海賊とよばれた男(上) [ 百田尚樹 ]

 

>海賊とよばれた男(下) [ 百田尚樹 ]

 

2013年第一位作品です。この年はまさに百田尚樹フィーバーでした。海賊とよばれた男が話題になる前に2012年年末あたりからのちに500万部以上も売れる「永遠の0」がヒットし始めており、話題になっていました。それと合わせて4月にこの作品が本屋大賞を取り、ロングヒットします。そして、年末に永遠のゼロが映画公開されるのを機に社会現象になるくらい百田尚樹さんが書いた本が売れました。永遠の0を300冊仕入れ、タワー陳列したのはいい思いです。

今年もそんなシンデレラストーリーが出ることを期待したいですね。

それでは今回もこれでお開きです。

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