ぼさとの定規

元書店員ぼさとが社会のこと、書店のことなど、思ったことを書いていきたいと思います。

さっぽろ雪まつりの魚氷問題について思ったこと、保守的なことや倫理観の違いなどなど

 

昨年11月に小倉スペースワールドで魚のスケートリンクが物議をかもし、結局中止になり、小倉スペースワールドを社運を賭けたイベントが失敗し、とうとう2017年末をもって閉園になってしまうそうです。

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そして、この騒動に思わぬ飛び火をしたのが、さっぽろ雪まつりのすすきの会場で35年以上展示されている「魚氷」と呼ばれる魚やカニを氷漬けにした展示を中止を検討していると12月雪まつり実行委員が発表しました。
結果として、世論の声から、賛成の声が多数上がったため、今年も継続して行うことになりました。しかし、スペースワールドの問題を考慮してか、今年は規模を縮小とスポンサーに降りてもらい、実行委員会の自腹で設置したそうです。

【朗報】さっぽろ雪まつりの氷魚「やっぱりやる!」クレームに屈せず実施にネット賛成の声(1ページ目) - デイリーニュースオンライン

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なぜ雪まつりの魚氷まで問題が飛び火したのかというと、11月にスペースワールドでの問題が発覚し、全国ニュースになったころ実行委員の中から「今年は魚氷も自粛すべき」との声があったようです。炎上するまえに先に発表しやめてしまおうという思惑があったのかと思います。

そうして、中止を検討していることを発表しました。しかし、発表したタイミングが12月中旬で世論やネットではスペースワールドの問題も収束しかけたころです。さらに雪まつりの「魚氷」についてはあまり話題になっておらず、飛び火状態にはなっていなかったのです。
そこに実行委員からのアナウンスがあったので、当然、世論は困惑します。なぜ困惑したかというと、話題になっていないことも大きいですが、倫理観の問題としてずれていることが一番でした。

小倉スペースワールドの魚スケートリンクは魚を「踏みつける」という行為が引っかかるため、炎上しました。
しかし、雪まつりの魚氷はきれいに芸術的に「魅せている」という行為です。
確かに両者とも魚を氷漬けにしており、生き物として尊重しているのかという意見もあります。
しかし、その意見は動物園、水族館で動物を見世物にするのは反対と言っている動物愛護団体の思考と同じものだと私は思います。
動物愛護の倫理観で物事を考えると芸術なんて成り立ちません。

 

結果として、世論でも雪まつりの魚氷については賛成意見も多く、運営の予想以上に反響があり、今年も設置される流れになりました。
しかし、思うのは運営もスルーして、例年通り、スポンサー出費で開催しても大丈夫だったのではないかということです。
どこの組織にもありますが、一部の保守的な反対意見に振り回された結果、スポンサーに降りてもらい、規模を縮小して実費で賄わないといけなくなりました。
この問題の陰に隠れているスポンサーも振り回された結果になります。また、なにより、世論のほとんどの人が賛成していたのにも関わらず、規模を縮小して展示することになりました。これが運営としてベストな結果だったのか疑問です。

保守的な考えは負のほうに働くこともあるという例だと思いました。

最後に、小倉スペースワールドの魚は供養されていたみたいですね。

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それでは、今回もこれでお開きです。